また生理が3ヶ月ぐらい来てないな…と不安に思った数日後、まさか疾患と判明するとは全く思っていませんでした。
多嚢胞性卵巣症候群（PCOS）は結婚後に検査を受けて気がつく方が多いそうですが、私は結婚する3年前に発見し早期に治療を開始することができました。
昔から将来子どもが欲しいと思っていたので「放置して不妊になったら大変！」と、今回もすぐにクリニックへ向かって本当に良かったです。
この時はまだ仕事などのストレスが原因かな～ぐらいの軽い気持ちでした。
実は私は20歳と22歳の時にも一時的に月経不順になった経験があり、正直これで3回目だなーぐらいの感じでした。
またクリニックで処方された薬を飲んだ後に月経が正常に戻っていたので、今回もまあ大丈夫だろうと信じて疑っていませんでした。
平日はフルタイムで働いていたので、その週の土曜日に婦人科クリニックへ行くことに。
ドクターに生理が3ヶ月来ていないことを伝えたところ、そのまますぐに超音波検査をすることになりました。
まだ血液検査はしていないけど、これは多嚢胞性卵巣症候群だなあ
……え？
「多嚢胞…えっと今なんて言われた…？」と、一瞬パニックになりました。
「ストレスで月経不順になっている訳じゃないの？ え、病気なの？」ともう訳がわからず、とりあえずその後はドクターの説明をひたすら黙って頷きながら聞いていたのを今でもよく覚えています。
ちなみに多嚢胞性卵巣症候群は20人～30人に1人の割合（生殖年齢女性の10％前後）の女性でみられるとのことで、決して珍しい疾患ではありません。
また年々、若年層の患者も増えてきていると合わせて教えてもらいました。
ショックだけでなく、そこまで珍しくない病気を約25年間、今日この日まで聞いたことがなかったのか…という衝撃もありました。
私が無知だったこともありますが、教わる機会がなかった＆デリケートな話だということも知らなかった原因だと思います。
日常会話で多嚢胞性卵巣症候群の話をする、そんな勇気は私にはないです(笑)
ちなみに不妊の原因のいうキーワードが先行しがちですが、妊娠を希望していない女性も無視をしてはいけない病気です。
では前座が長くなってしまいましたが、そろそろ本題に入っていこうと思います！
✔️ この記事を読んでわかること
・多嚢胞性卵巣症候群（PCOS）とは？[簡易版]
・どんな検査をして多嚢胞性卵巣症候群（PCOS）と診断されたのか？
・多嚢胞性卵巣症候群（PCOS）を放置するリスク
・多嚢胞性卵巣症候群（PCOS）でも妊娠は可能なのか？
この病気に限らずですが、早期発見・治療が大事なので女性の方はぜひ読んでほしいです。
またネットで調べていても見かけることができなかった話も少しだけ記載しています。
日本産科婦人科学会専門医のドクターから教わった知識や私の体験談をまとめていこうと思います。よろしくお願いします！
多嚢胞性卵巣症候群（PCOS）とは？ [簡易版]
多嚢胞性卵巣症候群（polycystic ovary syndrome：PCOS [以下：PCOSと略]）になると、排卵が起こりにくくなります。
そのため、生理不順や不妊の原因となる場合があります。
冒頭にも記載しましたが主な原因は現時点では解明されていません。
また根本的な治療法や予防法も確立されていないので早期発見・治療が大切になります。
PCOSは下記の3つが当てはまった場合に診断されます。
① 月経異常
② 多嚢胞性卵巣（超音波所見）
③ 血中男性ホルモン高値またはLH基礎値高値かつFSH基礎値正常
②と③の判断は検査が必要なので、まず①の症状が自覚への第一歩目となります。
その他にも外見の男性化（多毛など）や不妊などを判断基準に加える場合もあります。
では、①の「月経異常」について更に説明します。
A.「無月経」（薬を服用しなければ月経が発来しない状態）
B. 月経周期が39日以上3ヵ月以内の「稀発月経」
C. 出血はあるが排卵を伴わない月経「無排卵周期症」
私の場合は比較的この中では気がつきやすい、A.の「無月経」がクリニックへ向かう要因となりました。
たとえ出血があるとしても月経不順の場合は無排卵の可能性があります。
病気に気がつくためには基礎体温をつけて、異常がないか確認しなければなりません。
（今後、月経周期や基礎体温の記録の話も別記事にしたいと思っています）
婦人科クリニックでどんな検査をしたのか？
私の場合は妊娠の可能性は非常に低かったため、超音波検査（②）と血液検査（③）を行いました。
妊娠していた場合も月経は起こりませんので、妊娠の可能性が十分にある方はまずそちらの検査が先です。
ちなみに超音波検査は特に痛みはありませんでしたので過度な心配しなくて大丈夫です。（※個人差あり）
血液検査も健康診断の採血と同じです。
未経験の場合は肛門を通じて検査するので、少し痛かったです。（20歳の時の感想）
では、実際に私がクリニックで検査をした結果を載せていきます。
① 月経異常
「無月経」（薬を服用しないと生理が来ない）
② 多嚢胞性卵巣（超音波所見）
ネックレスサイン（5ｍｍ前後の小さな嚢胞ばかり）が確認される。
③ 血中男性ホルモン高値またはLH基礎値高値かつFSH基礎値正常（※月経中）
LH14.1（基準値：1.5〜7mIU/ml）【LH基礎値高値】
FSH5.6（基準値：3.5〜10mIU/ml）【FSH基礎値正常】
「LH／FSH>1」の場合まずPCOSを疑います、上記の数値を当てはめると「2.51>1」です。
①～③の判断基準すべて見事に当てはまっています、悲しい。
私の場合は①と②の超音波検査の時点でPCOSだろうとドクターから告げられていたのですが、後日③の血液検査の結果で断定されました。
受診したクリニックでは超音波検査中、モニター画像を私も見ることができました。
なお当時全く知識のなかった私でも「これがネックレスサインか…」と理解できる程にはしっかり映っていました。とても悲しい。
上記の参考写真の赤色で囲った中のように、小さい丸い影（※卵胞のこと）が10個以上ありました。
PCOSになっても妊娠は可能なのか？
結論から言います、妊娠は可能です。治療は必要ですが、PCOSで妊娠された方は沢山いらっしゃいます。
以下の話はネットで見かけることが少なかったのですが、ドクター曰く治療や妊娠などがきっかけで再び月経が自然に発来するようになる人もいるとのことです。
また逆に私の知人は、第一子を出産した後にPCOSと診断されました。第一子は自然妊娠で月経不順もなかったそうなのですが…。
いろいろなパターンがありますね、それもなかなか原因が解明されない理由の一つなのかな…と感じます。
PCOSを放置するリスクは？
PCOSを放置していると子宮内膜増殖症・子宮体がんや糖尿病のリスクが上昇したり、いざ妊娠を希望した時に排卵誘発剤が効きづらい場合があります。
他の病気になったら大変ですよね、これが最初に"妊娠を希望していない人も無視してはいけないよ"と記載した理由でした。
これを見てPCOSになったら「癌になってしまう！？」「既に糖尿病になっている！？」と心配になった方は驚かせてごめんなさい。
あくまでリスクの話であって必ず病気になる訳ではないです。
なお生活習慣の乱れや肥満など他の原因が重なった場合は要注意なので、心当たりがある方はすぐに改善を目指しましょう。
PCOSは自然には排卵しづらい疾患なので、妊娠を希望する場合は排卵誘発剤を使用し不妊治療をすることになります。
ですが、その薬が効かないのはなかなか致命的ですよね…。
診断された当時の私は独身（実家暮らし）でまだ妊娠を望んでいる状態ではありませんでしたが、将来は子どもが欲しいと考えていました。
そのため妊娠を望んだ時に排卵誘発剤が効かない状態には絶対になりたくないと強く思いました。
もちろんこれ以上、他の病気にもかかりたくありません！
こうして、私のPCOS治療が始まりました。
今回の記事はここまでになります。
最後まで目を通していただき、ありがとうございました！